プロジェクトストーリー 挑戦するDNA~横浜編

 

序章
沖縄進出のきっかけとなった新病院案件への挑戦

  • 新病院のESPに関するプロポーザル案件

    2017年12月、紺碧の海が眼前に広がる沖縄・浦添の地に、新会社が誕生した。沖縄電力㈱と東京都市サービス㈱の合弁会社、㈱リライアンスエナジー沖縄(以下、REO)である(※2018年3月に大阪ガス㈱が資本参加)。
    REOは、沖縄では一般的でなかった、お客さまのエネルギー利用のアウトソーシングニーズにお応えする会社で、創業から約3年を経過した2020年11月現在で、既に大型商業施設、研究機関、病院など5件のお客さまにサービス提供しており、この分野では沖縄のトップを走るまでに成長している。
    ただ現在のこの成長に至るまでの道は、決して平坦ではなかった。REO創業からさかのぼること3年前――。東京都市サービスでは関東以外での事業機会を模索していたなかで、沖縄に注目していた。商業施設、病院など多くの開発計画の動静があり、また年間を通して冷房需要があり、強みが発揮できるエネルギーサービスに適した案件が豊富にあると見込んでいたのである。そんな時に舞い込んだのが、社会医療法人友愛会 豊見城中央病院(沖縄県豊見城市)の新病院、友愛医療センターのプロポーザル(総合コンペ)の話だった。

  • 友愛医療センター

  • トータルエネルギーサービス事業部
    ソリューション営業部長

  • 「建替えの情報は、沖縄でも事業展開している親会社(伊藤忠エネクス㈱)経由で入ってきました。建替えに伴い、新病院でのエネルギー設備の設計・施工や運用・保守、緊急時の対応など、エネルギーサービスプロバイダ(ESP)を請け負う事業者をプロポーザルで決めることになったのです。当時、東京都市サービスは関東でしか事業を展開していませんでしたから、沖縄への進出は不安の方が大きかったです。
    しかし、沖縄エリアにおけるエネルギーサービス事業(ES事業)の発展可能性を見極め、その魅力を親会社や社内で繰り返し説明するとともに、沖縄電力への粘り強い交渉により協力関係を構築できたことで、豊見城中央病院に対するES事業の機関決定を得ることが出来ました」(トータルエネルギーサービス事業部ソリューション営業部長:以下、営業部長)
    タッグを組んだ沖縄電力には、地元のエネルギー供給を幅広く担うとともに、地元のナンバーワン企業ならではのネットワークがあった。東京都市サービスには数多くのES事業の実績がある。互いの得意分野を活かして相乗効果を発揮できる、理想的なパートナーシップだった。

 

  • 高い技術力と誠実な対応がお客さまの信頼をつかむ

    当社と沖縄電力のグループがESP事業者として選定されるまでには多くの課題や困難があった。「最後の最後まで受注できるかどうかわからなかった」(同ソリューション技術部長:以下、技術部長)と言うほど、競合会社の攻勢は強力なものだった。結果的に、東京都市サービスと沖縄電力の連合チームはこのプロポーザル案件を獲得できたのだが、その要因はどこにあったのだろうか?

     

    「営業担当と技術担当は相互連携しながら足繁く沖縄に通い、技術的根拠をもって丁寧に説明することで、お客さまの疑問点や不安を一つひとつ取り除いていきました。プロポーザルで求められていたのは、台風、地震、津波などのBCP対策強化に加えて、経済性や環境性、将来拡張性など多岐にわたるものでしたが、技術担当はこれまで培ったノウハウを駆使して設計を行いました。その結果、外部の設計事務所や施工会社に一切任せることなく、独自の技術力を発揮し、しっかりとトータルコーディネートすることで、スムーズに運用できるシステムを構築できたと思っています」(技術部長)

  • トータルエネルギーサービス事業部
    ソリューション技術部長

  • トータルエネルギーサービス事業部
    ソリューション技術グループマネージャー

  • 「新会社の『リライアンス』という社名は、日本語に訳すと『信頼』です。一番はお客さまからの信頼を得られたことだと思います。そして、東京都市サービスには熱供給事業のノウハウと高い技術力があります。お客さまと真摯に向き合い、技術力に裏打ちされた提案をしたことが受注に結び付いたのだと思います」(同ソリューション技術グループマネージャー:以下、技術GM)
    こうして、友愛医療センターのプロジェクトが進んでいった。これを足掛かりに、大型商業施設(サンエー浦添西海岸PARCO CITY(浦添市)、2019/6サービスイン)、研究機関(沖縄科学技術大学院大学第4研究棟(恩納村)、2020/4サービスイン)のプロジェクトにも参画。まさに沖縄進出の礎ともいえる大きな一歩だったのである。

 

連携
一枚岩の結束で沖縄でのESP事業を実現

  • 長年のノウハウが活かされた「災害に強い病院」

    友愛医療センターは当然のことながら、24時間、医療サービスを止めることができない。ましてや同センターは、台風や地震などの災害時に患者を受け入れる地域災害拠点病院。エネルギーの安定供給に関しては、他のどの施設よりも細心の注意を払う必要があった。
    そのために技術担当が考えたのが、沖縄特有の台風による停電時でも電気を確保するための特別高圧電力での2回線受電システム。本線と予備線が異なる変電所から個別に受電するので、電源変電所の1箇所がダウンしても電気の供給が途絶えることはない。さらには、ピーク電力の6割を確保しながら72時間の運転を可能にする非常用発電機および燃料タンクも設置。災害時でも医療サービスを止めることなくエネルギーの安定供給ができる設備を取り入れた。特に非常用発電機の運用についても「系統電源に切り替わる(復電)とき、通常は一時的に停電してしまいますが、医療機関での停電は患者さんの命に関わるので、短時間であっても絶対に避けなくてはなりません。停電しないで復電させるには高い技術力が必要です。豊富な実績がある当社だからこそ、できたのだと思います」
    (同ソリューション技術グループ プロフェッショナル)

  • トータルエネルギーサービス事業部
    ソリューション技術グループプロフェッショナル

  • トータルエネルギーサービス事業部
    ソリューション技術グループプロフェッショナル

  • さらに、高温多湿な沖縄の気候に合わせて、外気温が下がる夜間に効率よく冷熱を製造し蓄えておくための蓄熱槽を採用して平時の高効率運転を保ち、災害時にはコミュニティタンクとして利用できるようにした。「当社の主力事業は地域熱供給です。友愛医療センターのプロジェクトは対象の建物が複数か単体かという違いはあれど、基本は地域熱供給と変わりません。そのため、友愛医療センターにおいても、ベースの部分は地域熱供給の経験や手法を随所に踏襲しています」(同ソリューション技術グループプロフェッショナル)

 

  • 遠隔オペレーションセンターとの距離を超えた連携

    エネルギーサービスは、設計・施工して終わりではない。時間的な長さでいえば、その後の運用のほうが圧倒的に長い。東京都市サービスのすべてのエネルギーサービス・設備受託案件の運用管理・遠隔監視をしているのが、東京都内にある遠隔オペレーションセンターだ。遠く離れた沖縄の友愛医療センターの設備も、ここで24時間365日、専門知識を持った運転員が運用管理と遠隔監視を行っている。
    「常日頃、お客さまの設備を監視して、不具合を早期に発見するのが私たちの仕事です。友愛医療センターの設備で何らかの異常が発生した場合、当センターからREOに連絡して、メンテナンスを依頼するという緊急時対応体制ができています。そのため、遠隔だからといって、タイムラグが生じるようなことはありません」(同遠隔オペレーショングループマネージャー:以下、遠隔OG・GM)
    同グループは、遠隔監視や緊急時の対応を行うだけではない。オペレーションマネジメント業務も行っている。お客さまのエネルギー使用状況を分析し、毎月の定例会で、省エネと低コストを実現するための運用改善策を提案しているのだ。
    「お客さまからは、提案の精度が高いという評価をいただいています。スタッフは地域熱供給も含めて経験とノウハウが豊富です。技術をさらに磨き、お客さまにとって最適なエネルギーサービスを追求していきたいと思います」(遠隔OG・GM)

  • トータルエネルギーサービス事業部
    遠隔オペレーショングループマネージャー

 

  • 友愛医療センター様と
    (機械室前で撮影)

  • 沖縄の精鋭たち――
    友愛医療センター開院を迎えて

    2020年8月、友愛医療センターは開院を迎えた。REOは同年5月からエネルギーサービスを開始している。
    同院は1日800人以上の来院者を受け入れる大型医療センター。耐震性・免震性に優れた構造はもちろん、院内の冷暖房用に冷温熱、入浴用に給湯、医療器具滅菌用などに蒸気と、熱の利用方法もさまざまだ。REOは「電気・ガス」の1次エネルギーの調達から、「電気・冷温熱・給湯・蒸気」の2次エネルギーの供給、設備の運用管理・保守メンテナンスを担っている。

  • 「友愛医療センターさまには2週間に一度、熱使用量や翌月の見込みなどをご報告しています。運用開始前から一緒に取り組んできたこともあり、良好な信頼関係を構築できていると思います」(REO出向 (技術営業部営業グループ))
    設計時と現在の使用量から今後の使用量を予測し、最適な運転と管理を提案。さらに、部分負荷特性などを考慮した効率的な運用を日々実施することで、友愛医療センターの運営を支えている。
    この友愛医療センタープロジェクトの経験は、その後の社員たちの意識や行動にも大きな財産として活かされている。
    「過去の経験にとらわれず、常にお客さま側に立った提案や運用をするよう心掛けています。友愛医療センターさまはもちろん、今後の新規案件についても、電気やガスをバランスよく組み合わせて、お客さまのニーズに合った提案をしていきたいと思います」(同・技術営業部技術グループ)
    「今後、沖縄で成長した自分たちが力を発揮できる案件に出会えるのが楽しみです。これまでの常識や規定を超えて柔軟な発想ができる仲間が増えることも願っています」(同・技術営業部技術グループマネージャー)

 

  • プロジェクトで感じた確固たる手応え――さらなる飛躍を目指す

    技術担当、営業担当、運用・保守担当、三者が一体となっているからこそ、お客さまのニーズにきめ細かく対応することができ、「信頼」される。それがREO、そして東京都市サービスの大きな強みだ。友愛医療センターを皮切りに、REOのさまざまなプロジェクトを通して、プロジェクトメンバーたちはそのことを一層実感している。
    「プロジェクトに関わったメンバーたちは、経験豊富なベテランが多かったのですが、あらためて熱供給に関する知見や技術が幅広く通用することを感じ、大きな自信になりました」(技術部長)
    「東京都市サービスは、地域熱供給事業が売上の大半を占めています。病院・商業施設・工場などお客さまのオンサイトでのエネルギーサービスや設備受託サービスの事業規模は、今はまだ小さいかもしれません。それでも、もがきながらこのプロジェクトを成功させて、自分たちが知らない世界を知ることができました。東京都市サービスの高い技術力を活かせる分野はたくさんあると確信できたのも、大きな収穫です。今後は沖縄以外の地域も視野に入れ、事業を拡大していきたいと考えています」(営業部長)
    「最近では、沖縄に行って自分の腕を磨きたいという社員が増えています。青い海も魅力のようですが(笑)」(事業部長)
    設立から3年。REOの事業は軌道に乗り、5つの大型施設がサービスインし、進行中の案件も数十件に上っている。プロジェクトメンバーは皆、自社の技術にあらためて自信を持ち、新しい可能性を発見することができた。かけがえのない財産を手に入れて、「エネルギーのプロフェッショナル」たちは日々萬進していく。

プロジェクト概要

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